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ベル研究所

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2005年 01月 15日

私の仕事

私の仕事_c0032909_21596.jpg一昨日、長野県の伊那谷にある有賀さんの工場に行ってきました。
雪かもという予報だったのに、空には雲が一つもありません。
二つのアルプス望むなだらかな裾野。
どこまでも青く澄み渡る空。
景色がベラボウにイイ。
緩やかにカーブする道を車で上って行く。
桟積みされた板の山に埋もれるように、その工場はありました。
(←写真は有賀さん)http://www.kino-ie.net/aruga/


‘除伐材’......公共工事を進める上で、計画導線上にある木をそう呼ぶそうです。
河川工事、道路建設工事、果ては、ガスのパイプライン工事まで。
先日、直径1.5mものタモのまっすぐに延びた大木が‘除伐’されたそうです。
「...除伐材は、チップ工場に運ばれて、紙にされてしまうんです...」
有賀さんが悲しそうに話してくれました。
「何十メートルにも伸びた木をかまわず、2メートルに切断。トラックの横幅の寸法です。
ブナも、ナラも、タモも、桜も、何もかも粉々に。チップですからね。」
現実を聞き、胸がいたみます。‘除伐’ その言葉が刺さります。

有賀さんは、月に一度はチップ工場に行き、少しでも多くの木材を助け出してくれています。
簡単にいいますが、手間も時間もお金もかかる大変な行いです。
行政にはめちゃくちゃ腹が立ちます。どうにかやめさせなければなりません。
でも今、私にできる事。
それは、木を大事に使ってくれる人と造ってくれる人を結びつける事です。
良いデザインをして、少しでも多くの人に、永く大切に使ってもらえるものを造る。
何だか新年早々、自分の仕事を見つめ直すことになっちゃいました。

日曜日。有賀さんの造ってくれたテーブルが2台、東京に届きます。

by manabu_kato | 2005-01-15 03:06 | つくること


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